献血が趣味なのはなぜ?ハマる人の心理と意外なメリット

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献血が趣味なのはなぜ?ハマる人の心理と意外なメリット
かげとら

今週末はなにするの?

献血の予約入れてるよ!もう趣味みたいなものだからね。

かげとら

献血が趣味!?すごいね!人の役に立つのは分かるけど、どうしてそんなに好きなの?400ml献血とか、ちょっとしんどそうなイメージがあって…。

たしかに、体調によってはやめたほうがいい時もあるよ。でも、献血には魅力的なことがたくさんあるんよ。

このような会話に、思わず「分かる!」と頷いた方もいるかもしれません。

「献血が趣味」と聞くと少し意外に思う一方で、その心理やメリットが気になったり、「自分にもできるだろうか?」という不安を感じたりするのは、ごく自然なことです。

この記事では、そうしたポジティブな好奇心と現実的な不安の両面を意識しつつ、献血の回数を重ねる魅力や知られざるメリット、そして注意すべき点までをまとめてみました。

読み終わる頃には、献血が多くの人にとってこれ以上ないほど充実した趣味となる理由がきっとお分かりいただけるでしょう。

この記事を読むとわかること
  • 献血を趣味にする人の心理や性格がわかる
  • 献血の具体的なメリットと注意点がわかる
  • 献血を続けるモチベーションの源泉がわかる
  • 献血が自分にも社会にも良い理由がわかる
目次

なぜ献血を趣味にしてるの?その心理と社会的背景

なぜ献血を趣味にしてるの?その心理と社会的背景
  • 献血の歴史と社会貢献への意識
  • 献血する人の性格や心理的傾向
  • 献血が好きな人は女性が多い印象があるが・・・

献血の歴史と社会貢献への意識

献血の歴史と社会貢献への意識

私たちにとって身近なボランティア活動の一つである献血ですが、その制度が確立されるまでには長い道のりがありました。

当初、血液は民間の血液銀行によって売買される「売血」が主流で、経済的な理由から繰り返し売血を行う人々の健康問題や、輸血後の肝炎といった副作用が大きな社会問題となっていたのです。

このような状況を改善するため、政府は献血を推進する方針を固め、日本赤十字社が中心となって各地に献血の受け入れ体制を整えていきました。

当初は「献血手帳」によって将来自分が輸血を受ける際に有利になる「預血」という考え方が主流でしたが、これもまた様々な問題を生んだため廃止されました。

こうして、多くの人の努力と意識改革を経て、「見知らぬ誰かのために自発的に無償で血液を提供する」という、純粋な贈与としての献血文化が社会に根付いていったのです。

献血を趣味にする人の根底には、こうした歴史の上になりたつ「社会を支える」という尊い意識が存在すると考えられます。

上記の記事作成は日本赤十字社大阪府赤十字血液センターWebサイト「血液事業の歴史」を参照しています。
血液事業についてより詳しく知りたい方はこちらのサイトを読んでみてください。

献血する人の性格や心理的傾向

献血する人の性格や心理的傾向

献血という行動を選択する人々の背景には、どのような性格や心理があるのでしょうか。

一概に特定のタイプと断定することはできませんが、いくつかの共通する傾向が見られます。

まず、多くの研究で指摘されているのが「利他性」の高さです。

自分の時間や血液という貴重なリソースを提供することで、顔も知らない誰かの命を救えるかもしれない、という行為そのものに喜びや満足感を見出すのです。

これは、社会の一員として役に立ちたいという社会貢献意欲の表れでもあります。

また、献血をすることで「自分は人の役に立つ存在だ」という感覚を得られ、自己肯定感が高まるという心理的な報酬も大きな動機となります。

熊本大学大学院の吉武由彩准教授の研究によれば、東日本大震災の際に献血に駆け付けたのは20代や30代の若年層が多かったことや、身近な人の輸血経験が献血のきっかけになることなどが指摘されています。

しかし、全ての人が強い使命感だけで献血をしているわけではありません。

「なんとなく」「興味本位で」始めた人が、献血を続けるうちにその魅力に気づき、習慣化していくケースも多く見られます。様々な動機が混在している点も、献血という行為の奥深さを示しています。

上記記事作成は日本寄付財団Webサイトの「見知らぬ他者への贈与――どのような人が献血するのか」を参照しています。より詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。

献血が好きな人は女性が多い印象があるが・・・

献血が好きな人は女性が多い印象があるが・・・

献血ルームに足を運ぶと女性の献血者が多く、和やかな雰囲気を感じることがあるかもしれません。

「献血が好きなのは女性が多いのかな?」という印象を持つ方も少なくないでしょう。

しかし、実際の統計データを見てみると、少し違った側面が見えてきます。

日本赤十字社がまとめた統計によれば、献血者総数に占める男女の割合は、実は男性の方が多い傾向にあるのです。

性別献血者数(人)構成比
男性3,548,848 70.8%
女性1,464,216 29.2%
合計5,013,064 100.0%

上記は日本赤十字社 令和6年 血液事業統計資料 ~血液事業の現状~の内容を表にまとめたものです。

では、なぜ「女性が多い」という印象が生まれるのでしょうか。

その理由のひとつに、献血ルームがカフェのように清潔で過ごしやすい空間になっているため、女性が友人同士で訪れたり、休憩目的で利用したりしやすい点が挙げられます。

有楽町献血ルーム
上記写真は日本赤十字社東京都赤十字献血センターWebサイト献血ルーム紹介ページより引用

ちなみに、これは有楽町の献血ルームの写真です。

高級ホテルのラウンジみたいな感じですが、今こんな感じのおしゃれな献血ルームが増えているんですよ。

また、共感性が高く、ボランティア活動に熱心な女性のイメージが、そうした印象を強めているのかもしれません。

趣味として献血を続けられるのはなぜか?具体的な魅力と注意点

趣味として献血を続けられるのはなぜか?具体的な魅力と注意点
  • 全血献血と成分献血の違いとは
  • 400ml献血はしんどい?
  • 献血をやめたほうがいい人
  • 健康面のメリットとデトックス効果について
  • 献血の回数で得られる達成感や記念品
  • 献血ルームの快適なサービスも魅力
  • よくある質問と答え

全血献血と成分献血の違いとは

全血献血と成分献血の違いとは

献血には、大きく分けて「全血献血」と「成分献血」の2種類があります。どちらも尊い行為ですが、採血方法や所要時間、次回の献血が可能になるまでの期間などが異なります。それぞれの特徴を理解し、自分のライフスタイルに合った方法を選ぶことが、献血を長く続けるための鍵となります。

種類内容所要時間(目安)年間可能回数・採血間隔
全血献血血液中のすべての成分(赤血球、白血球、血小板、血漿)を採血する方法。200mLと400mLがある。受付から終了まで約40~50分400mL
男性:年3回以内(12週間後)
女性:年2回以内(16週間後)
成分献血専用の機器を使い、血小板や血漿といった特定の成分だけを採血し、体内で回復に時間のかかる赤血球は体内に戻す方法。受付から終了まで約60~120分男女とも年24回以内(2週間後)

医療機関で特に必要とされることが多いのは、400mL献血や成分献血です。

時間に余裕がある方は成分献血、限られた時間で協力したい方は全血献血、というように選択できます。

頻繁に献血ルームに通いたい方は、間隔が短い成分献血を選ぶとよいでしょう。

最新の基準については、日本赤十字社のWebサイトで確認することをおすすめします。
日本赤十字社Webサイト 献血基準

400ml献血はしんどい?

400ml献血はしんどい?

献血、特に400ml献血と聞くと「体はしんどくないの?」「貧血にならない?」といった不安を感じる方もいるかもしれません。

私たちの体には、失われた血液を回復させる素晴らしい機能が備わっています。

健康な成人であれば、体重の約13分の1の血液が体内を巡っており、そのうち15%程度が失われても、体を維持する機能に影響はないとされています。

400mlの献血は、この範囲内に収まる量です。

もちろん、個人差はあります。

献血後に一時的なだるさや、まれに気分が悪くなる方もいます。

これは、体の水分量が一時的に減少することなどが原因です。

そのため、献血の前日から当日にかけて、いつもより多めに水分を補給することが大切です。

また、献血後もすぐに活動せず、献血ルームで最低15分以上は休憩し、水分をしっかり摂ることが推奨されています。

正しい知識を持ち、体調を整えて臨めば、過度に心配する必要はありません。

献血は、自分の体の回復力を信じることにもつながる行為なのです。

献血をやめたほうがいい人

献血をやめたほうがいい人

献血は誰かの命を救う尊い行為ですが、提供する側の安全と、輸血を受ける患者さんの安全を守るため、非常に厳しい基準が設けられています。

体調が万全でなかったり、特定の条件に当てはまったりする場合は、献血を控えた方が良さそうです。

特定の病気や服薬中の場合

心臓病や悪性腫瘍、血液疾患などの既往歴がある方は、献血ができません。

また、治療のために薬を飲んでいる場合も、薬の種類によっては献血ができないことがあります。

特に、血液をサラサラにする薬や一部の糖尿病治療薬などは注意が必要です。

体調がすぐれない場合

睡眠不足や空腹時、発熱など、少しでも体調に不安がある場合は、献血を見送るべきです。

無理をして献血を行うと、気分が悪くなるリスクが高まります。

海外渡航歴や予防接種について

マラリアやデング熱といった感染症の流行地域に滞在歴がある場合、帰国後一定期間は献血ができません。

また、受けた予防接種の種類によっても、献血が制限される期間が異なります。

その他

他にも、出血を伴う歯科治療を受けた直後、6ヶ月以内にピアスを開けたり入れ墨を入れたりした場合、妊娠中や授乳中の場合なども献血はできません。

少しでも不安な点があれば、自己判断せずに献血会場の医師や看護師に相談してみましょう。

上記の記事作成は日本赤十字社Webサイト「献血をご遠慮いただく場合」の内容を参照しています。
最新情報及び詳細情報についてはこちらを参照してください。

健康面のメリットとデトックス効果について

健康面のメリットとデトックス効果について

「献血をすると血がきれいになる」「デトックス効果がある」といった話を耳にすることがあるかもしれません。

これらは本当なのでしょうか。

医学的な観点から言うと、献血に直接的なデトックス効果がある、あるいは血液の質が根本的に改善されるという科学的根拠は、現在のところ明確には示されていません。

体は常に新しい血液を作り出しており、献血の有無にかかわらず新陳代謝を行っているからです。

しかし、献血が健康維持にプラスに働く「副次的なメリット」は確かに存在します。

最大のメリットは、無料で詳細な血液検査が受けられる点でしょう。

献血を行うと、後日ウェブサイトで生化学検査成績や血球計数検査成績などを確認できます。

これは、生活習慣病の指標となる数値も含まれており、自身の健康状態を定期的にチェックする貴重な機会となります。

この検査結果をきっかけに、食生活や運動習慣を見直す人も少なくありません。

つまり、献血は病気の治療行為ではありませんが、自身の健康への意識を高め、より良い生活習慣を促す「きっかけ」としての大きな価値を持っているのです。

献血の回数で得られる達成感や記念品

献血の回数で得られる達成感や記念品

献血を趣味として続ける上で、大きなモチベーションとなるのが、回数に応じた顕彰制度です。

日本赤十字社では、献血回数が一定に達した方々へ、感謝の気持ちを込めて記念品を贈呈しています。

献血回数が10回、30回、50回に達すると、素敵なガラス器などの記念品がもらえます。

さらに70回、100回と回数を重ねていくと、銀色有功章、金色有功章といった特別な感謝状が贈られます。

これらは、長年にわたる社会貢献の「証」であり、献血者にとっては大きな誇りとなるでしょう。

このような目に見える形で感謝が示されることは、ゲームのステージをクリアしていくような達成感を与えてくれます。

「次の記念品を目指そう」という具体的な目標が、献血を継続する楽しみの一つになるのです。

また、記念品だけでなく、献血ルームによっては様々なキャンペーンを実施しており、お菓子や日用品、時にはアイスクリームなどがもらえることもあります。

こうしたささやかな「ご褒美」も、また次に行こうという気持ちを後押ししてくれます。

献血ルームの快適なサービスも魅力

献血ルームの快適なサービスも魅力

献血を趣味にする人が「また行きたい」と感じる理由の一つに、献血ルームそのものが持つ居心地の良さがあります。

多くの献血ルームは、ボランティア活動の場所というイメージを覆すほど、快適で洗練された空間になっています。

まず、受付から採血、休憩に至るまで、スタッフの方々が非常に親切で丁寧に接してくれます。

不安な気持ちに寄り添い、体調を気遣ってくれる温かい対応は、安心感を与えてくれるでしょう。

待合スペースには、様々な種類のドリンクが無料で提供されているほか、お菓子やパンなどの軽食が用意されていることもあります。

採血中や採血後の休憩時間には、雑誌や漫画を読んだり動画を見たりリラックスして過ごすことが可能です。

さらに、献血ルームの中には、その地域性を活かしたユニークな取り組みで多くの人を惹きつけている場所もあります。

秋葉原献血ルーム
上記写真は日本赤十字社東京都赤十字献血センター公式Webサイト献血ルーム紹介ページより引用

その代表例が、東京・秋葉原にある献血ルーム「akiba:F(アキバ・エフ)」です 。

この施設は、アニメや漫画、ゲームといったサブカルチャーの聖地である秋葉原の特性を最大限に活かしています。

定期的に人気の作品とコラボレーションしたキャンペーンを実施しており、過去には「リコリス・リコイル」といった人気アニメや、VTuberグループ「にじさんじ」との共同企画が行われました 。

期間中に献血に協力すると、描き下ろしイラストが使用されたクリアファイルなどの限定記念品がもらえるため、作品のファンが「推し活」の一環として訪れることも少なくありません 。

室内には関連ポスターや声優のサイン色紙などが飾られることもあり、訪れるだけでも楽しめるイベントスペースのような雰囲気を持っています 。

このように、社会貢献をしながら、まるでカフェのように自分の時間を過ごせたり、時には好きな作品を応援する機会になったりします。

この「ご褒美」のような体験が、献血を特別な趣味へと昇華させているのです。

よくある質問と答え

献血する場合に年齢の上限はありますか?

献血には69歳までという年齢制限がありますが、これは継続的に献血されている方のためのものです。安全性を考慮し、60歳から64歳の方が初めて献血される場合は、200mL献血に限られます。65歳以上の方の初回献血は、残念ながら受け付けていません。厚生労働省のWebサイトに採血基準があるので詳細を知りたい方はこちらを読んでみてください。

献血中に気分が悪くなったらどうなりますか?

採血中は頻繁に看護師さんが様子を見に来てくれますが、もし、採血中や休憩中に気分が悪くなるなどの体調変化を感じた際は、すぐに近くのスタッフに声をかけましょう。絶対に我慢しないでくださいね。

採血された後の血液はどうなるのですか?

採取した血液は、まず感染症の有無などを調べるための厳しい検査を受けます。安全性が確認された血液だけが、赤血球、血小板、血漿などの成分ごとに分離・加工され、血液製剤となります。その後、適切な温度で保管され、医療機関へ供給されるという流れになっています。詳細はこちらのサイト「日本赤十字社東京都赤十字献血センターWebサイト 血液のゆくえ」を参照してください。

献血ルームと献血バスの違いは何ですか?

献血ルームは常設の施設で、全血献血と成分献血の両方が可能です 。一方、献血バスは企業や学校などを巡回し、主に全血献血を受け付けています 。バスには成分献血用の特別な設備がないためです。都合に合わせて選ぶことができます。

最後に献血が趣味になるのはなぜかをまとめます

ここまでの内容を箇条書きでまとめます。

  • 献血は売血問題という歴史を経て無償のボランティアへ進化した
  • 見知らぬ誰かの役に立ちたいという利他的な心理が働く
  • 社会貢献を通して自己肯定感が高まるという内面的な報酬がある
  • 血液検査の結果から自身の健康状態を定期的に把握できる
  • 全血献血と成分献血がありライフスタイルに合わせて選べる
  • 健康な人なら400ml献血でも身体への大きな影響は少ない
  • 献血後の体調不良を防ぐには事前の水分補給と十分な休息が大切
  • 安全のため献血できない条件が厳しく定められている
  • 献血の基準に不安があれば自己判断せず相談することが重要
  • 医学的なデトックス効果は証明されていないが健康意識は高まる
  • 献血回数に応じた記念品や感謝状がもらえる制度がある
  • 目標達成の喜びが継続的なモチベーションにつながる
  • 献血ルームは無料で休憩できる快適なサービスが充実している
  • スタッフの丁寧な対応が安心感と満足感を生む
  • 社会貢献と自己の満足を同時に満たせる一粒で二度おいしい趣味である

この記事では、献血が趣味として愛される理由を、心理的な側面から具体的なメリット、そして注意点まで多角的に解説しました。

献血は、社会貢献を通じて自己肯定感を高めるだけでなく、定期的な血液検査による健康管理の機会も提供してくれます。

また、全血や成分献血といった種類の違いを理解し、不安や注意点を正しく知ることで、安心して臨むことができるでしょう。

近年では、献血ルームが提供する快適なサービスや、特定の地域性を活かしたユニークな取り組みも、継続的な活動を後押しする大きな魅力となっています。

この記事をきっかけに、献血が誰かのためだけでなく自分のためにもなる、豊かで充実した趣味の一つとして、あなたの選択肢に加われば幸いです。

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