
「ヒマな時間」って、どうしてあんなにもったいなく感じるんだろうね?



何もしてないと、自分だけ止まってる気がしちゃうよね



でも、かといって常に何かしてるのも疲れちゃうしな~



でも、この時間を上手に使えたらすごいことになるかも
一日に何度かふと訪れる「ヒマな時間」。
通学や通勤の途中、授業と授業の間、寝る前のほんの数分。
私たちは気づかないうちに、たくさんの小さな空白とともに暮らしています。
でも、何もしていない時間にふと「この時間、もったいないな…」と感じたことはありませんか?
ぼーっとするのも悪くないけれど、どこか罪悪感があったり、時間をムダにしたような気分になったり。
「ヒマ=ムダ」「ヒマ=怠けている」そんな風に思ってしまうのは、きっと真面目に日々を過ごしている証拠です。
けれど、ほんの少し見方を変えてみると、「ヒマな時間」は自分をリセットしたり、新しいことを始めるきっかけにできたりと、意外にも大きな可能性を秘めています。
この記事では、「暇な時間がもったいない」と感じてしまう理由や、その時間をもっと自分らしく使うための方法をまとめてみました。
やらなきゃいけないことに追われる毎日でも、心にゆとりを持ちながら、自分のペースで進んでいける方法を、一緒に探していきましょう。
- 暇が苦手な人に共通する心理や性格の特徴
- スキマ時間が日常にどれだけ多く存在しているか
- 暇な時間に感じる“もったいなさ”の心のメカニズム
- 暇な時間を価値あるものに変える具体的な工夫や方法
暇な時間がもったいないと感じる理由


- 暇が嫌いな人の特徴と心理
- スキマ時間も大切にしよう
- 時間がもったいないと感じる心の動き
- 暇すぎると病むって本当?
- 暇が一番幸せという考え方もある
暇が嫌いな人の特徴と心理


暇な時間が苦手な人には、いくつかの共通した考え方や性格があります。
簡単に言うと、「何か目標がないと落ち着かない」「まわりからどう見られているか気になる」「ずっと刺激がほしい」といった気持ちが強い人です。
こんな人は、「暇=時間のムダ」と感じやすく、じっとしているのが苦手です。
こういう性格は決して悪いことではありません。むしろ、「がんばりたい」「何かを達成したい」という気持ちが強い、すばらしい面もあります。
ただし、予定を詰め込みすぎてしまうと、体も心も休む時間がなくなってしまうのが心配です。
気づかないうちに疲れがたまり、イライラしたり、体調を崩したりすることもあります。
だからこそ、次のような工夫でバランスをとることが大切です。
- 毎日5分だけ「何もしない時間」をあえて作る
- 勉強や用事が終わったら、小さなごほうびを自分にあげる(好きなお菓子や音楽など)
- 1週間に1回、自分の予定を見直して「やらなくてもいいこと」を減らしてみる
どれだけ忙しくしていても、「ちょっと休む」「ゆるめる」時間を持つことはとても大事です。暇をただ避けるのではなく、上手に付き合っていけるといいですね。
スキマ時間も大切にしよう


何となく過ぎてしまうちょっとした空き時間こそ、とてももったいないんです。
たとえば、仕事が始まる前の時間や、電車やバスを待っているときの時間、寝る前のスマホ時間。
こうしたスキマ時間は、気づかないうちに毎日どんどん積み重なっています。
このようなアンケート調査を見つけました。


これは、平日1日のなかでどのくらいスキマ時間があると感じているかの調査結果です。
性別や年代によってもいろいろ違いがあるとは思うのですが、8割以上の方が1日のうちで30分以上はスキマ時間があると感じているようです。
1日で見たらたった30分でも、1ヶ月で見たら約15時間、1年で見たら約300時間にもなるわけです。
こう考えると、ちょっとしたスキマ時間も毎日少しずつ活用すれば、いろいろなことができる時間になると思いませんか。
※円グラフはリサーチリサーチ「「スキマ時間」に関する調査(20歳以上の男女対象)」に記載のデータを使用して私が作成したものになります。
たとえば、こうすれば時間をムダにせずに使えます。
- 自分の1日のスキマ時間をストップウオッチやスマホで測って、どのくらいあるかを知る。
- スキマ時間の使い道を「読む」「体を動かす」「明日の予定を見る」など3つに分けておく。
- ふいに時間ができたら、すぐその中から1つを選んで行動する。
このように、たとえ短い時間でも「何をするか」を決めておけば、気づいたときにはもったいない時間が価値ある時間に変わっていますよ。
時間がもったいないと感じる心の動き


もしあなたが、「今日はなんだか何もできなかったな…」と夜にがっかりしたことがあるなら、それは“もったいない”という気持ちが働いているサインかもしれません。
実はこのもったいない感は、「自分の時間がどう使われたか」をあとからふり返るときに強く感じるもの。
つまり、その場では気づかなくても、あとで気づいて後悔することが多いんです。
こうした気持ちは、大きく3つの「思い込み」から生まれやすくなります。
- 何かしなきゃという焦り
→ 暇=ダメ、という考えがあると、少しの休憩でも罪悪感を感じてしまいます。 - 時間をちゃんと使えなかったという後悔
→ あとから見て意味がなかったように思えてしまう時間に対して、「あれはムダだった」と感じやすくなります。 - もっとできたはずという理想とのギャップ
→ 自分に対して期待しすぎると、「今日は何も進まなかった」と思いがちになります。
たとえば、土曜日の午後に「YouTubeを見ていたら夕方になっていた…」という日。
見ている最中は楽しかったのに、夜になると「今日、何してたんだろう」と感じてしまう。
これが時間がもったいないと感じる心の動きです。
暇すぎると病むって本当?


ずっと何もしない時間が続くと、心や体に悪い影響が出てくることがあります。
アメリカや欧州の大学・調査機関において、「毎日まったく刺激がないと、だんだん気分が落ち込んでしまう」ということが調査の結果明らかになっているのです。
研究機関における調査結果については以下のサイト参照してください。
Boredom–understanding the emotion and its impact on our lives: an African perspective
A Highly Replicable Decline in Mood During Rest and Simple Tasks
では、なぜ暇すぎるとつらくなるのでしょうか?
理由は大きく3つあります。
- やることがないと、脳が「うれしい」と感じるホルモン(ドーパミン)を出しにくくなります。
- 何もしていない時間が長いと、「自分ってダメかも…」と感じて、不安になったり、焦ったりします。
- その不安から逃げたくて、スマホばかり見たり、つい食べすぎたりする悪いクセがつくこともあります。
でも、「暇=悪いこと」と思いすぎる必要はありません。
大切なのは、ヒマをなくすことではなく、「ちょうどいいヒマ」にすることです。
たとえば、ちょっとした休憩は、心をリラックスさせてくれます。
でも、何時間も何もしないと、逆にイライラしたり落ちこんだりするかもしれません。
休みの日、目が覚めたらテレビからサザエさんのエンディングテーマが流れていた・・・。
経験がある人も多いかと思いますが、この時ほどガッカリする瞬間ってなくないですか?
つまり、やり過ぎは良くないですが、やらなさすぎも良くないということ。
だから、予定がない日でも、少しだけやってみたいことを決めておくと安心です。
たとえ小さなことでも、自分から動いてみることで、気が楽になりますよ。
暇が一番幸せという考え方もある


ここまでは「ヒマな時間=ムダな時間」というスタンスで話を進めてきましたが、一方で、暇な時間は心を元気にするためにとても大切だという考え方もあるんです。
理由は主に3つあります。
- ゆっくり休むことで、体も心もリフレッシュでき、次の日の集中力がアップします。
- ぼーっとしている間に、頭の中ではひらめきやアイデアが生まれやすくなるんです。
- 「今、自分の好きなように時間を使っている」と感じることで、前向きな気持ちになれます。
アメリカの大規模調査によると、日常生活に最も満足している人は、1日に2時間から5時間程度の自由時間を持っている人たちであることが判明しています。
自由時間が2時間未満だとストレスを感じやすく、5時間を超えると逆にストレスや不満を感じやすくなる傾向があり、適度が自由時間が幸福度を高めるとしています。
この調査に関する詳細はこちらのサイトを参照してください。
LIFE HACKER「「暇すぎる人」も不幸だった。研究でわかった幸福度と自由時間の関係」
たとえば、放課後に30分だけベンチに座って空を見上げてみる。
何もしないその時間が、思っているよりずっと心の力になります。
必ずしも「ヒマな時間=ムダな時間」とは言えないということです。
大切なのは、やることをぎっしり詰め込むことではなく、余白を残してあげること。
その余白こそが、本当の幸せにつながるのかもしれません。
暇な時間=もったいないと感じさせない時間の使い方


- 暇な時間を有効活用する方法
- 心が満たされる時間の使い方
- 暇な時間を作らない方法
暇な時間を有効活用する方法


ちょっと空いた時間でも、「何をするか決めて、時間を区切る」だけで、とても意味のある時間に変わります。
なぜそれが大事なのか、理由は2つあります。
- やることがハッキリしていれば、すぐに行動できるから。迷う時間がなくなります。
- 「○分だけ」と時間を決めておくと、気持ちにスイッチが入りやすく、集中力もアップします。
たとえば、15分だけ暇な時間ができたときは、次のような流れで動いてみましょう。
ゴールを決める
まず何を終わらせたいか考えます。
タイマーをセット
制限時間を設けるのがポイント。
作業に集中する
スマートフォンの通知をオフにする等、邪魔が入らないような環境で作業しましょう。
たったこれだけのことで、「よし!できた!」という気持ちが生まれます。
いつでもできると思うと、いつでもいいやと思って先延ばしにしてしまうことってないですか?
逆に、今このタイミングじゃないとできないって思ったら何にも優先してそれをやるじゃないですか。
これは「締め切り効果」という心理的現象なのですが、このように制限をかけることで、作業効率や集中力が上がるのです。
つまり、少しの時間でも「やること」と「時間」を決めてしまえば、その時間は自分をレベルアップさせる時間になるということ。
このようにすれば、「なんとなくスマホを見るだけの時間」が、「自分の成長につながる時間」に変わっていきますよ。
心が満たされる時間の使い方


さて、どうすれば「なんだか心があったかいな」と思える時間が作れるのでしょうか?
その答えは、とてもシンプルです。
「自分」「人」「世界」の3つにちょっとだけいいことをしてみること。
これは「ポジティブ心理学」という学問でも大事にされている考え方で、人が幸せを感じるために必要なのは次の3つだと言われています。
- 自分で選んで行動できていると感じる(=自己決定感)
- 誰かとつながっていると感じる(=つながり)
- 誰かや社会のためになっていると感じる(=意味や貢献)
それぞれに、こんな行動がぴったりです。
相手 | 具体例 | 心が感じること |
---|---|---|
自分 | 「今日よかったこと」を1行だけ日記に書く | 自分で選んだという実感(自己決定) |
人 | 家族や友だちに「ありがとう」とLINEを送る | 誰かとつながっている感じ |
世界 | 公園でゴミを1つ拾って帰る | 社会の役に立った満足感 |
どんなに忙しい日でも、「自分」「人」「世界」へほんの少しでも貢献できる行動をしてみるだけで、その時間は「ムダな暇」ではなく、心に栄養をくれる時間に変わっていきます。
暇な時間を作らない方法


「なんでこんなにヒマなんだろう?」と思うとき、その多くは時間の使い方を決めていないことが原因です。
そこで大事なのは、時間が空くのを待つのではなく、先に予定を考えておくこと。
なぜなら、「この時間にはこれをやる!」とあらかじめ決めておくと、頭の中がスッキリして、ムダなスキマ時間ができにくくなるからです。
予定を上手に組み立てるコツは、次の3つの質問を自分にしてみることです。
視点 | 自分に聞く質問 | 工夫の例 |
---|---|---|
削る | 本当にこれは今やる必要ある? | SNSの通知は「家族や仲のいい友だち」だけにする |
まとめる | 同じことを一度にできない? | メールや連絡の返信は11時と16時にまとめて返す |
合わせる(帰属) | すでにやってることと一緒にできる? | 歯をみがきながら、明日の予定を声に出して確認する |
たとえば、「歯みがきをしながら翌日のやることを考える」といったちょっとした工夫だけでも、時間の使い方がより効率的になります。
このように、ヒマな時間はたまたまできるものではなく、「うまく予定を考えないと自然にできてしまうもの」なんです。
だからこそ、先にスケジュールを作っておいて、「この時間は休む」「この時間にこれをやる」と自分でコントロールすることが、ヒマをなくす一番良い方法といえます。
最後に暇な時間がもったいないと感じる理由についてまとめます
ここまでの内容を箇条書きでまとめます。
- 暇を嫌う人は、「目標がないと不安になる」性格傾向を持っている
- 暇な時間に刺激がないと、脳がドーパミンを分泌しにくくなる
- 長時間何もしない状態が続くと、人は自己評価を下げやすくなる
- 暇を放置すると、スマホ依存や過食など悪い習慣につながりやすい
- 暇な時間があると、自分の時間をムダにしたと感じて後悔しやすくなる
- 忙しすぎる人は、自分で休む時間を確保できず、心身が疲れやすくなる
- 1日に30分のスキマ時間があると、1年で約300時間の自由時間になる
- 暇な時間に行動が決まっていないと、人は「焦り」や「無意味さ」を感じやすくなる
- 暇が長すぎると、気分が落ち込み「何もできなかった感」が強まりやすい
- 自分で予定を設計しておくと、ムダな暇が生まれにくくなる
- 小さな行動を決めておくと、暇な時間を前向きに使いやすくなる
- 心を満たす時間を作るには、「自分・人・社会」それぞれに良いことを少しずつ行うことが効果的である
忙しい毎日の中で、「暇な時間=ムダ」と感じてしまうことは少なくありません。
でも、その小さなスキマこそ、心を整えたり、自分を前に進めたりする大切な時間になり得ます。
大事なのは、「ただ過ごす」のではなく、「どう過ごすか」を意識すること。
目標に向かう行動を小さく積み重ねたり、五感を使って楽しんだりすることで、暇はムダではなく価値あるひとときになるのです。



